2024-01-01から1年間の記事一覧
<前| wagaizumo.hatenablog.com 前回記事の後書きを収録。グリッチ史からの補足を現在執筆中。 Part.1のあとがき:RTA史に関する提案と展望と雑考 1. 呼びかけ 2. 日本のスピードラン史 3. グリッチ史 4. TASの歴史とRTAの歴史的役割 5. カテゴリの歴史 6. …
1998年にニンテンドー64用ソフトとして発売された『ゼルダの伝説 時のオカリナ』は、ゼルダシリーズを代表する作品の1つだ。これはまた初期の3Dゲームを代表する傑作の1つであり、そしてスピードランというゲームの遊び方を代表する作品の1つである。 今回は…
『ゼルダの伝説 風のタクト』関連で今年いろいろあったので、時系列順にまとめました。ここ2年破られなかったAny%のRTA世界記録が急に7分も更新されたことを中心に扱います。鍵は「剣だけでバリアスキップ」。 プロローグ:2024年以前の風タクRTA 1月:Any% …
以前いろいろな事情が重なって*1、ホメロス『イリアス』『オデュッセイア』について調べていたことがあった。その際にヘレニズム期から中世にかけてのホメロス受容の状況がかなり面白いことを発見した。簡単にまとめると、ホメロス原典が二次創作と偽書に負…
「うい麦畑でつかまえて」、『わが出雲・わが鎮魂』説 うい 夢に見るよ 新婚旅行 そっかそれなら 空き缶はお前らだね しっかりくくるね (「うい麦畑でつかまえて」作詞:ナナホシ管弦楽団、作曲:岩見隆)https://www.youtube.com/watch?v=5uaHMmcReI0 ガラ…
カート・ヴォネガット『スローターハウス5』(Slaughterhouse-Five, or The Children's Crusade: A Duty-Dance With Death、1969年)を読みました。 www.hayakawa-online.co.jp きっかけは1945年の第二次大戦敗戦から「恥辱」軸でWeb小説を説こうとする小論*…
ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』(To the Lighthouse、1927年)を読みました。 www.iwanami.co.jp 以前ウルフの『波』(1931年)を読もうとしたときは100ページ程で挫折してしまった。「こいつら全員言葉に対する感性鋭いんか???流石におかしくないか??…
昔、ふと思い立って「結び目と素数」について調べていた時期があった。 www.kinokuniya.co.jp 細かい経緯はよく覚えていない。ただ結び目のアレクサンダー多項式と数論の岩澤不変量が対応するというストーリーに関して、単なるアナロジーにしてはうまくいき…
wagaizumo.hatenablog.com 将来の利用を見越して、上の記事で使わなかった引用&コメントをここに列挙する。 偶然にも没案は25個あった。この程度の記事でもクオリティ・コントロールのため全体の半分を切り捨てているらしい。 選定の基準として面白さ・啓発…
こんにちは、モダニズム友の会です。 暗い出来事や、難しい問題にぶち当たったとき、気持ちが沈んでしまうことや、先が見えなく感じてしまうことがありますよね。 そんな時は、ぜひ入沢康夫の詩集を開いてみませんか? 今日は、落ち込んだ時に読んでほしい「…
すでに書いたものから没予定のものまで以下に列挙する。「整形した創作メモ」といった具合。私が普段どんな愚にもつかないことを考えているか明らかにしよう。 「これ面白いね」というものがあれば反応いただけると書く確率が上がるかもしれない。 落ち込ん…
子どもに読ませたい現代詩不朽の名作! 原作:入沢康夫『わが出雲・わが鎮魂』思潮社、1968年 対象年齢:7∼8歳(小学校低学年) 制作支援:ChatGPT-4o ※:Web掲載にあたり表現を一部改めています。あらかじめご了承ください。書き下ろしの「かいせつ」はWeb…
wagaizumo.hatenablog.com 前回のあらすじ: アイルランド最大の都市ダブリンに生まれ育ち、ヨーロッパ大陸に移住してからもダブリンの街を描き続けた作家ジェイムズ・ジョイス(1882-1941年)。彼の作品として短編集『ダブリナーズ』(1914年)および長編『…
今から遡ること120年前の1904年6月16日夕方頃、アイルランド最大の都市ダブリンにて、22歳の文学青年がある女性と初めてのデートに臨んだ。その女性は後に青年の妻となるだろう。青年はこのデートをきっかけに、母親の死以来感じていた孤独感を捨てるだろう…
最近は失神について調べている。 失神の詩学に向けて 前編 - 古い土地 失神の詩学に向けて 後編 - 古い土地 後編の方では大江健三郎『セヴンティーン』(1961年)を取り上げた。 この記事を書いたあと、『セヴンティーン』の読解に不安を感じたのもあり、そ…
前回のあらすじ: 10年間友達だと思ってた男の子に告白され、失神 https://x.com/shisshinbot/status/1610135758022799360 wagaizumo.hatenablog.com 今回は小説の読解が多くなる。 5.フランソワ・ラブレー 6.大江健三郎 7.ジョナサン・スウィフト 8…
ふわりと舞い落ちた桜の花びらが股間にヒットし、失神 https://x.com/shisshinbot/status/1776966426982834260 1.エミリー・ディキンソン 2.フランツ・リスト 3.ザ・ビートルズ 4.ウィリアム・フォークナー
見切り発車で現在進行形の出来事をまとめていきます。 前回のあらすじ www.youtube.com wagaizumo.hatenablog.com automaton-media.com Ganonfloor(ガノンフロア)というグリッチの発見により、1月下旬の10日間でSRM禁止のガノン討伐RTA(Defeat Ganon no S…
塚本邦雄(1920-2008年)は、第二次大戦後の前衛短歌運動の旗手としてよく知られる。 きっかけは、戦後まもなく歌壇・俳壇に対して突きつけられた「第二芸術論」(1946年)だった。これは短歌型文学の前近代性──日本的抒情、表現の狭小、「何を」より「誰が…
大岡昇平(編)『中原中也詩集』岩波文庫、1981年 これを読んだ。良さが分からなかった。 北川透『中原中也論集成』思潮社、2007年 困ったのでこれを流し読んだ。おおむね説得的な議論だった。だが1935年生まれの北川透が、なぜ1968-2007年の間に700ページ分…
萩原朔太郎の第1詩集『月に吠える』(1917年)は、大正口語自由詩を代表する作品としてよく知られる。 この詩集に頻出するモチーフの1つが、タイトルにもなっている「月に吠える犬」「病める犬」だ。 月に吠える犬は、自分の影に怪しみ恐れて吠えるのである…
激動っぽいのでまとめました。SRM(Stale Reference Manipulation)については発見から4年経って流石に皆慣れたと思うので既知とします*1。 2024年1月に起こっていないことを含みます。 *1:とはいえ技術的細部が重い。必要なら次を参照。 【RTA】ゼルダの伝…
2年前、『ムジュラの仮面』はACE(任意コード実行)によって最初の3日間だけでクリアが可能になった。 wagaizumo.hatenablog.com 「1st cycle skip」とは、チュートリアル区間と呼ばれる最初の3日間で人間リンク状態になること。これはムジュラ界隈の長年の…
一番面白い詩より一番面白いポルノの方が面白い、とは誰の言だったか。 ともかく最近は詩とWebポルノ小説を読んでいて、今回はポルノの方で面白かったものを何点か紹介したい。
もうパターン化された“エモ”気持ち悪すぎるんだよ、純喫茶でクリームソーダ、フィルムカメラで街を撮る、薄暗い夜明け、自堕落な生活、アルコール、古着屋、名画座、ミニシアター、硬いプリン、もう全部飽きた 面白くない https://x.com/_capsella_/status/1…
https://mynavi-creator.jp/knowhow/article/how-to-make-portfolios 今回はこれにならってポートフォリオを作ります。面倒なのでそういう前置きもやめて「古い土地」の記事紹介をしていきます。
歌は、詩よりもずっと劇に近い。 (サイモン・フリス『サウンドの力』1981年) 全ての詩は劇をめざし、全ての劇は詩をめざす。 (T. S. エリオット『批評選集』1932年) 「劇」に関する2つの言及をきっかけとした、5つの断片・エッセイ。 劇としてのSCP 劇…