古い土地

暗い穴

ξ:文学-近代小説

フォークナー『八月の光』を読みました(2025/1/25)

ウィリアム・フォークナー『八月の光』を岩波文庫の諏訪部訳で読みました。 www.iwanami.co.jp www.iwanami.co.jp 実は半年ほど前にも1回挑戦しているのですが、上巻のちょうど真ん中、ジョー・クリスマスの幼少期パート(第6章)が辛すぎて中断していました…

ジェイムズ・ジョイス入門(2):『ユリシーズ』

wagaizumo.hatenablog.com 前回のあらすじ: アイルランド最大の都市ダブリンに生まれ育ち、ヨーロッパ大陸に移住してからもダブリンの街を描き続けた作家ジェイムズ・ジョイス(1882-1941年)。彼の作品として短編集『ダブリナーズ』(1914年)および長編『…

ジェイムズ・ジョイス入門(1):『ダブリナーズ』『若い芸術家の肖像』

今から遡ること120年前の1904年6月16日夕方頃、アイルランド最大の都市ダブリンにて、22歳の文学青年がある女性と初めてのデートに臨んだ。その女性は後に青年の妻となるだろう。青年はこのデートをきっかけに、母親の死以来感じていた孤独感を捨てるだろう…

大江健三郎『万延元年のフットボール』の気絶・失神シーンまとめ

最近は失神について調べている。 失神の詩学に向けて 前編 - 古い土地 失神の詩学に向けて 後編 - 古い土地 後編の方では大江健三郎『セヴンティーン』(1961年)を取り上げた。 この記事を書いたあと、『セヴンティーン』の読解に不安を感じたのもあり、そ…

読書メモ:蓮見重彦『小説から遠く離れて』

「物語は本来小説の父ではないのに、父を僭称している」 https://meigaku.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=1078&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1

狂える母――オースティン『高慢と偏見』論

結婚はサバイブだ。 序:愉快な仲間たち(作品紹介) 狂える母 ①階級について ②狂気 ③罪と罰の経済 ④家族というコレクティヴ ⑤過剰な自我、卑小な自我 ⑥女たちの共同体 参考文献 追記(2024/6/17)

空ろなるヒーローたち①:フォークナー『響きと怒り』『アブサロム!』のクエンティン・コンプソン

人間が、意味を求めてしまうことの浅ましさ。意味を求めてしまうことの悲しさ。それらはときに、自殺という形態で現れる。