古い土地

暗い穴

補篇「声への憧れ」

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軽く・軽く・軽く・うわっついて

「生命って負けヒロインだから」

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負けヒロインとはなにか。 おれは指を立てて 流れていく巻雲を とめようとしたがだめだつた ――入沢康夫「外出」『夏至の火』より こういうものに違いない。

Analysis on Eric Dolphy ――エリック・ドルフィーの楽理的分析 part 2 〔作曲編〕

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じゃあ、行こうか、きみとぼくと、 薄暮が空に広がって 手術台の上の麻酔患者のように見えるとき。 ――T. S. エリオット『J・アルフレッド・プルーフロックの恋歌』(1910-1911) 岩崎訳 我々はそれと知らずに、それを行う ――出展不明 <前| wagaizumo.hatenab…

時オカ日記③(迷いの森 SRM編)

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SRM実践第二弾。 2022年2月現在、「時のオカリナ」のぶっ壊れバグSRM(Stale Reference Manipulation)の50%はコキリの森で行われ、残りの50%は迷いの森で行われる。*1 今回は迷いの森で行われる多種多様なSRMを実践してみよう。前回の記事と合わせて時オカ…

時オカ日記 2.5 (All Dungeons と 100% のSRMについて)

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SRMを練習するモチベを高めるという個人的動機で中~長時間のSRMカテゴリ「All Dungeons - SRM」「100% - SRM」に出てくるSRMをまとめておく。次回の記事でいくつか実践してみる。 もっと短いSRMカテゴリ「any%」「Defeat Ganon - SRM」「No Wrong Warp - SR…

Analysis on Eric Dolphy ――エリック・ドルフィーの楽理的分析 part 1 〔非・楽理編〕

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私たちは二人だつた。私はそれをはつきり言える ――マラルメ「散文」―― *1 序:研究への タイム感覚 音色 結:偽史を編む [reference] 序:研究への ビバップ以降のジャズミュージシャンはみな研究家の側面を持ち合わせている。まず「勉強」しないとジャズは…

時オカ日記②(コキリの森 LightNode SRM編)

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前回は基本的なグリッチを履修した。 <前| wagaizumo.hatenablog.com 今回は「無を取得」=SRM(Stale Reference Manipulation)やACE(Arbitrary Code Execution:任意コード実行)を実践してみたいと思う。 発見(2019年10月)以来とんでもないスピードで…

時オカ日記①(グリッチ入門編)

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前回は3万文字にも渡ってアホほど理論面を詳述した。 wagaizumo.hatenablog.com 最近故あってWii VC版時オカを貸してもらったので、以下ではもう少し実践的な記事を書きたいと思う。 筆者は本当に初心者なので残像剣からスタートする。初心者から初心者へ向…

【時のオカリナ】時の扉抜け(Door of Time skip / dot skip)に関する勉強ノート

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時の神殿内でマスターソードへの道を塞ぐ「時の扉」。実は扉の向かって左側だけ僅かな隙間が空いている。ここをすり抜けることで精霊石を一つも取得せずに手早く大人リンクになろう、というのが時の扉抜け(Door of Time skip / dot skip)の主旨。 非常に基…

【楽曲雑考】小沢健二 - 飛行する君と僕のために

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書いていたらいやに辛辣になった。本稿に誹謗中傷の意図はありません。 www.youtube.com 以下にコード採譜がある。 飛行する君と僕のために (歌・作詞・作曲:小沢健二) - ChordWiki : コード譜共有サイト 元々2016年のツアー『魔法的』で披露された曲。20…

【RTA解説】Wii「スマブラX」収録 5分体験版「時のオカリナ」any% を可能にしたグリッチ part2/2:SRM以後のWrong Warp

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<前| wagaizumo.hatenablog.com 前回はSRMとWrong Warpの基礎について学んだ。時間(5分)とファイルネーム(「リンク」)が限られた中でのSRMはピーキーな性能を持っていること。体験版any%の目標であるCredits Warp(エンディング直行)の基礎にはWrong Wa…

【RTA解説】Wii「スマブラX」収録 5分体験版「時のオカリナ」any% を可能にしたグリッチ part1/2:SRMとWrong Warpの基礎

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序文 復習:SRM grotto SRM 主題:「リンク」はいかにして5分で世界を救ったか? 速成:Wrong Warp 計算例 序文 www.youtube.com RTA in Japan Winter 2021 お疲れさまでした。 本稿は、このレースの前半で行われた体験版クリアまでのタイムを競うカテゴリ「…

2021年 グリッチこもごも(ゲームのバグ/RTA/TASに関するニュース)

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本稿は時オカ・ムジュラSRM/ACEの記事を書くために取材する(有識者のTwitterを2019年10月まで遡って数千件全部見る)過程で成立した。 今年はここら辺が面白かった、という私信でもある。10月以降の記述が厚いのは筆者の記憶の限界を示す。 [別記事で扱った…

【時のオカリナ・ムジュラの仮面】SRM/ACE以降の ゼルダ RTA 史  part 2/2:2020年3月 ~ 2021年

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2020年 3 - 12月 2020/5/26 どこでもドア(Farore's Wind Entrance Index SRM)が発明される 2020/9/01 GC版による時のオカリナ any%の更新 2020/11/25 時のオカリナ 100% TASが公開 3時間切り(2:57:59) 2020/12/12 ムジュラの仮面100% TAS(with ACE)が…

【時のオカリナ・ムジュラの仮面】SRM/ACE 以降の ゼルダ RTA 史 part 1/2:(2019年10月)~2020年2月

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はじめに:全体の予告 [時のオカリナ any% 記録変遷] [ムジュラの仮面 any% 記録変遷] [reference] ~2019年 SRM/ACEの理論的整備 2019/8/17 Wii U VC ムジュラの仮面 デバッグメニューが利用可能に 2019/10/11 SRMの発見 2019/11/11 時のオカリナ 任意コー…

【ダクソ】ダークソウル全ボス撃破RTA の 2020-21 年における進展、およびルート比較

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以下、特筆しない限りプラットフォームはPCとする。 ここでダクソ「無印版」と呼んでいるのは、PS3版のWindows/Steamへの移植として海外で発売された『Prepare To Die Edition(PTDE)』のこと。日本では『with ARTORIAS OF THE ABYSS EDITION』として発売さ…

入沢康夫論2-3:『わが出雲』と世界への帰還の許容(下)

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とりあえず提出するが、後で手直しするかもしれない。今は草稿の全容を見通せない。盲いた唖はその表面を撫でるだけ。 <前| wagaizumo.hatenablog.com 入沢康夫『漂ふ舟 わが地獄くだり』(1994年、思潮社) 浮きつつ遠く永劫の、魂まぎ人が帰ってくる。 帰…

入沢康夫論2-2:『わが出雲』と世界への帰還の許容(中)

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<前| wagaizumo.hatenablog.com 入沢康夫『わが出雲・わが鎮魂』(1968年、思潮社) 幼き日の友。己と瓜二つの友。その「あくがれ出た魂」を鎮めるため出雲の国をさまよった「ぼく」。紆余曲折の末に「小さな光」を「血も/凍るおもいで 両のて/のひらに そ…

入沢康夫論2-1:『わが出雲』と世界への帰還の許容(上)

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入沢康夫『わが出雲・わが鎮魂』(1968年、思潮社) 導入:異説・出雲神話 オペレーション 自注の例 余録1:いくつかの植字的方法 余録2:『わが出雲・わが鎮魂』「あとがき」全文引用 [reference] 導入:異説・出雲神話 この節は以前内々に作ったテキスト…

T.S.エリオット『荒地』の歴史的受容について

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以下の文章は入沢康夫『わが出雲・わが鎮魂』についてのテキストからエリオット『荒地』に関する部分を分離させたものである。独立でも読めるが、重心がそこに寄っていることを注意しておく。 T.S.エリオット(著)岩崎宗治(訳)『荒地』(2010年、岩波書店…

異世界論――「異世界転生」論と「小説家になろう」論のための助走

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以下は「なろう」論をきっかけに書いた8000文字の放棄稿である。論が言語や論理の解体(destruction)の方へと進み、コントロール不能に陥った。論としては成立していないが何らかのオブジェとしては成立していると判断したので、ここに残す。 手が届かない …

ある序論:「小説家になろう」と「ヒップホップ」の類似

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「小説家になろう」。1次創作と2次創作の合間を浮動するテキスト投稿サイト(この性質を「1.5次創作」と呼んでおこう)。横への参照(同時代の作品間参照)を本質とするメタゲーム(ゲーム性はランキングや評価ポイントなどの数値によって担保される。全員が…

入沢康夫論3 – 2:牛の首をめぐるパラノイアックな断章(後編)

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前回から引き続き入沢康夫『牛の首のある三十の情景』(1979年、書肆山田)を読んでいく。 wagaizumo.hatenablog.com [記法] 「牛の首のあるXつの情景( y)」を「X(- y)」と略記することがある。 「「牛の首のある八つの情景」のための八つの下図」は「八…

入沢康夫論3 – 1:牛の首をめぐるパラノイアックな断章(前編)

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入沢康夫『牛の首のある三十の情景』(1979年、書肆山田) 今回は入沢康夫の代表作の一つ『牛の首のある三十の情景』について、極めてパラノイアックな読解を試みる。 『詩の逆説』(1973年、サンリオ出版)で入沢康夫が述べていたように、詩について「愚者…

ステファン・マラルメ雑考:とある入門手続

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ステファン・マラルメって誰? 日本語で読んでみる 岩波文庫『マラルメ詩集』 『マラルメ全集』より 『文学空間』 [その他reference] ステファン・マラルメって誰? 必要なら前段階として次の記事を参照: 2021/11/16-17:ポー/エリザベス・ビショップ/ボード…

2021/11/29, 12/3:入沢康夫『詩の構造についての覚え書』堀江敏幸『おぱらばん』

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2021/11/29 入沢康夫『詩の構造についての覚え書』 入沢康夫『詩の構造についての覚え書』(1968年、思潮社) 試論・評論をいくつか読んで直観したけど、この人めっぽう気さくではないな。詩人入沢康夫に対する断定を避けるなら、実作者ボルヘスに対して作品…

マリオストーリー(N64)とペーパーマリオ(GC)における任意コード実行/任意スクリプト実行について

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2021年の2月下旬、2つのペーパーマリオシリーズで相次いで任意コード実行(ACE)/任意スクリプト実行(ASE)が達成された。今更ながらこのことについて書いてみようと思う。 以下はスピードランナーでもグリッチハンターでもない門外漢の筆者が、自分で理解…

2021/11/25-28:入沢康夫『ネルヴァル覚書』『死者たちの群がる風景』ネルヴァル『火の娘たち』『オーレリア』

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前回から引き続きネルヴァルを読む。 wagaizumo.hatenablog.com 2021/11/25 入沢康夫『ネルヴァル覚書』 入沢康夫『ネルヴァル覚書』(1984年、花神社) 詩人の入沢康夫はネルヴァルの研究者としても知られている。修論(1959年)のテーマもネルヴァルだった…

2021/11/24:野崎歓『異邦の香り――ネルヴァル『東方紀行』論』

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ジェラール・ド・ネルヴァル(Gérard de Nerval)って誰 今回と次回でネルヴァルについての本を読む。簡単に紹介しよう。 ネルヴァル(1808-1855)はフランス大ロマン派(ユゴー、ラマルチーヌなど)に対して小ロマン派とでもいうべき時期の文学者だ。 本人…

2021/11/22-23:入沢康夫『詩の逆説』『宮沢賢治 プリオシン海岸からの報告』『かつて座亜謙什と名乗った人への九連の散文詩』

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wagaizumo.hatenablog.com これの続きとして、入沢康夫の詩論・評論を読む。宮沢賢治との関係から詩作品『かつて座亜謙什と名乗った人への九連の散文詩』について少し論じてみる。 2021/11/22 入沢康夫『詩の逆説』 入沢康夫『詩の逆説』(1973年、サンリオ…