古い土地

暗い穴

Civilization4(Civ4)  小屋OCCのススメ part 2/3 : 立地の選定、自由主義まで

 

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前回冒頭のゲーム。こちらが48Tにオラクル哲学が完了する(エリザベスでは殆ど最速に近い)のに対しユスティが47Tにオラクルをとる。世界はいつだってこんなはずじゃないことばっかりだ。

part 1 : Civilization4(Civ4) 小屋OCCのススメ part 1/3 : 小屋OCCの戦略デザイン、指導者の選定 - 古い土地

part 2 : ここ

part 3 : yet

 

  • 立地の選定
  • ラクルジャンプ(0-60T)
    • 研究ルート/生産物
    • ラクル建造の目安/失敗した場合について
  • 自由主義まで (60~120T)
    • 研究ルート
    • 専門家
    • 生産物・労働者の改善
    • 社会体制

 

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Civilization4(Civ4)  小屋OCCのススメ part 1/3 : 小屋OCCの戦略デザイン、指導者の選定

 

 以下の文章は個人的なプレイメモをプレイガイドとして整備したものである。本来ならCiv4 wikiに載せるような内容だが、wikiの書式覚えるのが面倒くさいし、プレイレポ映えする試合を記録して書き切るだけの気力が無いし、新規性が微妙なのでここに上げる

 故ペリク鯖『OCC金融大陸』の著者に捧ぐ。この記事シリーズはかのプレイレポの縮小再生産・10年越しの追検証にすぎない。

https://w.atwiki.jp/civilization/pages/2121.html

 

 

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理想的すぎて唖然とした立地。平原金3(うち川沿い2)・川沿いモロコシ・氾濫原7・森林8。

クイズ:この立地だと何Tにオラクル哲学できる?

 

part 1 : ここ

part 2 : Civilization4(Civ4) 小屋OCCのススメ part 2/3 : 立地の選定、自由主義まで - 古い土地

part 3 : Civilization4(Civ4) 小屋OCCのススメ part 3/3 : 自由主義ボーナス、工業化時代以後 - 古い土地

 

 

 

  • はじめに
    • OCCについて
    • 小屋OCCのススメ
  • 指導者の選定

 

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「AIのべりすと」に歌詞は書けるか〔高橋徹也編〕

 

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「真っ赤な車」(学習前) クソみたいなj-pop仕草をやめろ

 

[アブスト]

  • 「AIのべりすと」に(筆者が望むレベルの)歌詞は書けない。

 

 

はじめに

 

 「AIのべりすと」は少し前から流行っている文章作成支援ツールです。インターネット上の文章を文庫本174万冊分(公称)も機械学習しており、マシンパワーの進歩を感じさせる仕上がりとなっています。

  

ai-novel.com

 

 で、このサービスは有料版があるんですが、学習している文章の中に「カクヨム」やら「小説家になろう」等の「閲覧は無料だけど商用利用は要相談」なテキストも容赦なく(おそらくは無断で)突っ込まれていて、うまく誘導してやれば学習元まで割り出せてしまいます。

 この無断使用がどのぐらい燃えるは分かりませんが、面白いのでサービス停止する前にフリー版で遊んでみることにします。

 

 個人的に小説チックな文章には興味が無いので、歌詞を書かせることにしました。題材として取り上げたのはあの高橋徹也です。知名度と文学性、2021年のAIが挑戦するのに最適なアーティストでしょう。

【楽曲解説】高橋徹也 - 『夜に生きるもの』(コード進行で見る高橋徹也②) - 古い土地

 

  • はじめに
  • 素の「AIのべりすと」
  • 「AIのべりすと」に学習させる
  • 学習後の「AIのべりすと」(面白部門)
  • 学習後の「AIのべりすと」(良作部門)
  • 結論

 

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About これは何?(エスキス)

 

 あの館では、ひとは《利用》とか手段とかの観念を嫌悪し、唾棄し、そうすることでついにはそれらを忘れはてる。それらの観念自体が非倫理的だというので。

――〔「マルピギー氏の館」のための素描 20 倫理〕 入沢康夫『声なき木鼠の唄』(1971年、青土社

 

 

 1 言及

 

 言葉は呪いの中にある。口頭教育の時代に話し言葉の模造品・代替として扱われていた書き言葉は、黙読の発明(聖アウグスティヌス『告白』*1)と共に、いつしか地表を覆うに至った。「なんでも言及してやろう」という意志の顕れ。

                                          

 本当にそうだろうか?

 

*1:この節はボルヘス『続審問』「書物崇拝について」(中村健二訳、2009年、岩波書店)に準拠している

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【楽曲解説】高橋徹也『夜に生きるもの』(コード進行で見る高橋徹也②)

 

 以前、このような記事を書いた。

wagaizumo.hatenablog.com

 

 高橋徹也の楽曲によく現れるコード進行を系統分析し、彼のトレードマークになっている奇妙な和声が具体的に何なのか明らかにした(つもりである)*1

 しかし『コード進行で見る高橋徹也』は長い上に、40曲分のコード譜に基づいているのですべてチェックしようとすると時間がかかりすぎる。辞書としては使えるが初見での可読性が高くない。

 

 そこで今回は、名盤『夜に生きるもの』の各曲をアルバム収録順に分析してみようと思う。ここで現れる特徴は高橋徹也の楽曲全般に見られる*2。前回が理論編だとすれば今回は実践編である。

 前書いたことも重複を厭わず書く(引用する)ため、前回の記事を読んでいる必要はない。むしろ前回の記事より先に読むと良い。コード進行以外のことにもいくらか触れる*3

 

[Reference]

・『夜に生きるもの』コード譜

夜に生きるもの - ChordWiki : コード譜共有サイト

高橋徹也本人による各曲レビュー

『夜に生きるもの/ベッドタウン』全曲コメント | 夕暮れ 坂道 島国 惑星地球

 

*1:次のエピソードからも窺えるように、彼の作曲の中心にはつねにコード進行がある。

そしてもちろんタイトル・トラック「大統領夫人と棺」が生まれた時の興奮も忘れられない。何の気なしにEm9とDm9のツーコードを爪弾きながら、"彼女はこの国の最高権力者の妻で" と語り始めた瞬間、全てのストーリー、そして歌詞とメロディが同時に湧き上がってきた。

高橋徹也 Discography 1996-2022 | 夕暮れ 坂道 島国 惑星地球

*2:コード進行に関しては。他の点に関しては必ずしもそうではない。代表作とされる『夜に生きるもの』『ベッドタウン』が彼のキャリア上の特異点であることに注意。

*3:ただし、高橋徹也は究極的には「歌詞の人」であると思うが、歌詞は軽く触れる程度にとどめた。ブログで歌詞分析をするとしばしばJASRACから突っ込みが発生し「研究・批評」目的だと言っても勝てなかったりするため。

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【楽曲解説】ピチカート・ファイヴ - これは恋ではない

 

 『ベリッシマ』期の小西康陽はどのような実験を行っていたのだろうか? その一例を作曲の視点から明らかにしよう。得られる教訓は次の通り。頻繁に行われる脈絡のない転調という小手先の技巧はしなくてよい

 

 

ピチカート・ファイヴ - これは恋ではない - 動画 Dailymotion

youtubeにはなく、dailymotionにはある)

 

 個人的に「これは恋ではない」は好きな方の曲である。が、良い作曲とは思わない。もっぱら田島貴男の歌唱と小西康陽の歌詞を愛聴している。

  歌詞も、途中までは「真夜中のドライブ」といういかにも小西康陽が書きそうなモチーフそのままで意外性がない。ひとえに終盤の「これは恋ではなくて」「痛み」「君は天使じゃなくて」「痛み」というたたみかけに救われている。君は、「痛み」なのか! なるほど、なるほど。

 ここからの展開のために4分48秒を費やす価値があると信じる。

 

 歌詞とコード譜は次に従う。コード進行だけは本文でも書いておく

https://ja.chordwiki.org/wiki/%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%AF%E6%81%8B%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%84

 

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入沢康夫論1:導入に代えて――群盲象を撫でる

 詩は「怒り」です。

 

――『現代詩体系』「自作を語る」全文

 

  I

 

 韜晦と偽物の詩人、入沢康夫

 神話と構造の詩人、入沢康夫

 メタポエムと母なき子の詩人。入沢康夫

 匿すことによってますます匿された詩人、入沢康夫

 

 

彼女の住所は 四十番の一だつた

所で僕は四十番の二へ出かけていつたのだ

四十番の二には 片輪の猿がすんでいた

 

――「夜」部分 『倖せ・それとも不倖せ』(1955年、書肆ユリイカ) 

 

 第一詩集『倖せ・それとも不倖せ』に収められた「夜」について、詩人の天沢退二郎いわく「偽りのユーモア」「意味と時間とパッションのはぐらかし」「けっして詩人が結婚したくないのに宿命によって婚約させられ、たどりつけば婚姻するほかない不毛の醜女がいる」「そこへ向かって《出かけていつた》なぜなら、それが書くことだから」(天沢退二郎入沢康夫の作品史について』)。

 天沢退二郎によるこの読みは、そのまま入沢康夫の生涯の詩作を説明してしまう。いつの時代でも詩人の第一詩集というものは予言めいている。

 

 まだ24歳だった新進気鋭の詩人入沢康夫はこの後に、二度の「地獄くだり」を行うことになる。一度目(1968年『わが出雲・わが鎮魂』)は現代詩史上まれにみる「オペレーション」を完遂した。二度目(1994年『漂ふ舟 わが地獄くだり』)は彼の詩に内在していた致命的な弱点を突かれ、(言葉の)限界がはっきりと示される。「こたびは地獄そのものを見た」と。

 この奇妙な旅路までも、第一詩集は記憶していたのか?

 

「やがて、証明をあきらめる日が来るだろう。そしてその日、すべては伝へられるがままに受け入れられ、貨幣は純粋に貨幣としてのみ用ゐられて、装飾や玩具としての用途は廃絶せられるであらう。あらゆる遊びも、しかるべき(それが何であるかは判らぬながら)理由を有する生真面目な営みと看做され登録され、各自の死の必然的な到来の予想さへも、つひには忘れ去られるであらう。かくて牛の首は勝利し、しかもその勝利の事実も、誰ひとり気づくものはないであらう」と、わたしたちは、わたし、行き交ふ限りの子供たちに、一語一語口うつしに教へ込まうとつとめる。

 

――「牛の首のある七つの情景 6」 『牛の首のある三十の情景』(1979年、書肆山田)

 

(二度の地獄下りのちょうど中間に迎えた、二回目の全盛期(一回目は60年代後半)。牛の首、牛たちの首。「錯乱的な記号系」としか言いようのないそれは、我々にとって入沢康夫の作品であり、同時に入沢康夫の作品ではない。その達成と挫折を、我々の殆どは知らぬまま死ぬ)

 

 本稿では多数の引用を交えつつ入沢康夫をごく主観的に紹介する。群盲象を撫でるが如く。

 

  キーワード:遊び、悪意、肉体、書くこと、死者

 

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