古い土地

暗い穴

文章に関するいくつかのアイディア

 

タイトル案

 

古い名、愛の紛失

 

傷、いくつかの

 

転生再び

 

僕のヒーロー/ファッキンアカデミア

 

ヒーローの研究

注:『緋色の研究』

 

転生したら「古い土地」だった件

 

 

ペンネーム

 

水佐江 荒葉(みずさえ あれば)

注:「せめて水の音でもあれば」

 

田我水 華居(だがみず はない)

注:上二つについてはT.S.エリオット『荒地』第V章を参照。

 

@kidnappingseason

 

Old Land And His Old Band

 

 

エピグラフ

 

私は 私は と書いてしばらくペンを休め と書き 私はそれを二本の縦線で消し と私は と私は 書きかけてやめ やめといふ字を黒く塗りつぶしてから と書いて 海は と私は書き つづけて 黄いろくて と書かうとするが一字も書かないうちに いやになつて

――入沢康夫「私は書く(ある校訂記録)――谷川俊太郎へ」 『「月」そのほかの詩』

 

右手には ぼくの生まれた町の幽霊が洞穴のように伸び
そこから大勢の青ざめた顔がのぞき
だが ぼくは 再びそこへ入つてゆかないし
ゆけない
すみれ色の
いたちのように走り出てくる子供たち けだものたち
――入沢康夫『わが出雲 わが鎮魂』

 

My self-possession gutters; we are really in the dark.

ぼくの冷静さが瓦解する。人間はみんな闇の中にいるんだ。

(訳注)男は、女の強い思いに対する自分の冷たさに気がとがめ、場違いな微笑を浮かべてしまったような気まずさを感じて動揺する。男が女を棄てたのだという印象を、女はついに男の心に刻み付けたのである。だが、男は「人間はみんな闇の中」、つまり人は誰でも自分のしていることを正しくは認識していないのだという一般論で、自分の動揺をおしつぶそうとする。

――T.S.エリオット「ある婦人の肖像」

 

Shall I at least set my lands in order?

せめて自分の土地だけでもけじめをつけておきましょうか?

(訳注)「イザヤ書」三十八章一節に「エホバ如此いひ給ひく 汝家に遺言をとどめよ(See thine house in order)」とある。『荒地』の語り手もまた、超越的な力なくしては世界を荒廃から救うことはできないが、自分の死を思い、「せめて自分の土地だけでも」と考えるのである。

――T.S.エリオット「V 雷の曰く」『荒地』

 

Here we go round the prickly pear

Prickly pear prickly pear

Here we go round the prickly pear

At five o'clock in the morning.

  

Between the idea

And the reality

Between the motion

And the act

Falls the Shadow

                                For Thine is the Kingdom

 

(訳注)prickly pear:とげのある平たい節と、種によっては食用になる卵形の果実を持つサボテン。エリオットは大地/文明/信仰の不毛に関連して扱っている。不吉な童謡の替え歌の中、「朝の五時」がわずかに希望を覗かせる。

――T. S. Eliot「The Hollow Men」

 

君がどんな人でもいい、夕べがきたら

知りつくした部屋から、出てみたまえ。

遠い景色の前に立つ君の住居が、最後の家になる。

君がどんな人でもいい、

踏み減らした敷居から、ほとんど離れようとせぬ

疲れた眼で、

おもむろに君は一本の黒い木を高め、

それを大空の前に立たせる、ほっそりと孤独に。

こうして君は世界を造った。その世界は偉大で、

沈黙のうちにみのることばのようだ。

そして君の意志が、その意味をつかむにつれて、

君の眼は、やさしくその世界を話す。

――リルケ「序詩」(生野幸吉訳)

注:もっと意味をとりやすくした(ために原典から少し離れた)訳として次がある。

https://sowaka3586.blog.fc2.com/blog-entry-231.html?sp

 

燃える 燃える 燃える 燃える

おお 主よ あなたはわたしを引き出し給う

おお 主よ あなたは引き出し給う

 

燃える

――エリオット『荒地』より「III 火の説教」

 

And the fire and the rose are one.

火と薔薇は一つ。

――エリオット『四つの四重奏』

 

 

 

書き出し

 

世界がもし百人のルー・フォードなら

こんなに素敵なことはない

美しい村を十年かけて作り上げ

五日で全員死ぬ

注:『内なる殺人者』

 

 

 「君は書かない。だから書かれることになる」

 まさにこれを言い訳にしようとしていたのだが、遠い昔、遠い土地にて同じことを思いついた人がいたらしい。その名をプラトンと言う。

 ソクラテスの代弁者としてのプラトンソクラテスの思想を書き残す使命に駆られ、しかしやがてソクラテスをおのれの代弁者としたプラトン話し言葉[的なもの]にこそ真実が宿り書き言葉[的なもの]はまやかしであると喝破したソクラテス、それを書いたプラトン。「これらの一つもわたしの書物などではなく、いわばソクラテスが書かせた書物である」と書簡に書き、書簡を焼き捨てる指示をまた書簡に書き、その書簡が後世まで伝わったプラトン

 書くことを職業にしている人もしていない人も、多かれ少なかれ、書くことの倫理性と向き合うことになる。全てが「書かれ」なくてはならないディストピアユートピアを仮に想像してもらいたい。その架空の世界の中の架空の書物として、以下の文章を提示する。君=ソクラテスが果たさなかった義務は、ぼく=プラトンが果たす。

 

 

 これからここに何が書かれようとしているのか?

 ひょっとしたらそれは、ある種のホラーになるかもしれない。不気味な〈幽霊〉の不明瞭な輪郭――というのはつまり、君の周りにいつの間にか居て、君をおびやかし、ついには逃走にまで至らしめた、「あの」一連の問題のことなのだが――これだけを執拗に、できうる限り正確に描く、という発想がこの作品以前にあった。

 

 

 たぶん、おもしろい文章になる。

 

 

 以下はそもそも人に見せる予定がなかったもの、および見せる予定だったが廃棄稿に「なりそうな」もののうち、「使える」と判断した部分だけを抜粋したものである。大量に(というのは具体的文字数に裏付けられない僕の主観でしかないが)書き散らしてこれだけしか可食部がないというのは物寂しい。物寂しいのでいくつか注をつけ、急ごしらえでアイディアを捏造した。

 なお完全に廃棄したわけではないので、今後再利用することがあっても許してほしい。

 禁欲的に、というよりも自閉的に、文字やフレーズや文章を並べることの「効果」が「誰か」にあると僕は信じる。少なくともそういう僕も居る。

 

 

 コミュニケーション可能性が問題となっている。あらかじめ切断された言葉、接続する振りすらしなかった言葉。その倫理性。道徳に訴えることができないなら機能性を問うことにしよう。

 「ずらす」ためのアイディア、「最後のナイフの一捻り」をぼくは探している。

 

 

 おれは生きている

 おれは生きているのだが

 

 

夢主設定

デフォルト名『古い土地』

トリップ時18歳。基本一般人。

第2部からオリジナル色が濃くなってきます。

その他設定は作中で明らかにしていきます。

注:http://dream-novel.jp/viewstory/index/66897/?guid=ON

 

 

フレーズ

 

きみはにせもの/ぼくたちのはなればなれの唄/羊をめぐる冒険

注:『羊をめぐる冒険』を私は読んだことがない。語呂の良さだけで出てきたように見える。

 

神経回路の呪術的図

 

ラスコオの昔から 無理があった

 

(おれの中に他者がいる 春が鳥のいない鳥籠に)

注:上のふたつは入沢康夫の引喩

 

[……]そして古い

 

近代の夢見

 

近代を父と仰ぎ、特に母はいなかった

注:事実ではない

 

怯えて寝ろ

 

他者が怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い

 

続く、続く、続く

おれにとって世界はもう終わってるんです

続く、続く、続く

 

顔のない男、顔のない女、そしてぼく

 

自家中毒 autointoxication man

 

高校球児は結局、おのれのpotencyの誇示である nilpotent

注:文脈が錯綜としている

 

これは信念ではなく体調の表明ですね

 

君は背理を知り抜いているから、わざわざ言わなくてもよいだろう(それを言えば魔力は失われてしまうから)

 

『melmelmel』

 

ジェンダー批評とテキスト的リアリティの問題抱えながらポルノ書くの気が狂うで

 

だから、これはまた、死と再生の物語ということになる。

しかしそんなものが死の代わりになるのだろうか?

 

男女の勘違いラブコメという読者の期待の地平を裏切る(何のために?)

小説じゃなくて詩を読んでください……(泣)

 

古い土地の幽霊

 

いやいやいや、だめです。白紙に戻せ

一つの作品に書きたいこと思いついたこと全部ぶっ込むな。その点二次創作とか批評の方が寄生できてやりやすいな

 

眼球というコレクティヴ

注:「動物というコレクティヴ」

 

反出征主義

 

ゲイと母

 

転生して詩聖を目指せ

 

住みたい土地ランキング

一位:荒地

二位:ワンダーランド

三位:新潟県湯沢町(区分所有という迷宮)

最下位:古い土地

 

水佐江の強靭な思想

 

狂人(くるびと)たち

 

 

文章の終わり方

 

 僕はポルノを書いた。というのも、間違えたかったからだ。それというのも、正しく間違えるのではなく、間違えて間違えたかったからだ。僕は間違えただろうか?

 

 

 なお、本稿の主題は、週刊少年ジャンプで連載中の漫画ではないし、アカデミア界を腐すことでもなかった。

 タイトル変えようかな。思い付きでしかない。さすがに変えたいな。